IoT導入が進まない理由
今日は、福井県産業会館で開催されていた「北陸技術交流テクノフェア」に合わせて開催された「IoTビジネス交流会」でプレゼンターとして20分程お話をしてきました。
プレゼンターは私を含めて3名で、私以外の2名はIoTシステムを開発しているお会社さんです。私はコンサルタント・・・少し場違いな感じもしましたが、私なりの考えを発表してきました。
※写真は私ではありません
中小ものづくり企業でIoT導入が進まない理由
これが私の発表テーマです。
導入が進まない理由として、下記3点をあげた上で、最後の「データ・情報の必要性を感じていない」が根本原因だと伝えました。
- 導入資金が無い
- どのように導入して良いか分からない
- データ・情報の必要性を感じていない
福井県でも昨年度からIoT導入補助金がスタートしていますが、申請件数は少ない上に、申請企業は補助金を貰わなくても実行できるような優良企業ばかりです。資金不足が原因ではないのです。
そして、導入方法が分からない、という以前の問題なんです。導入しようとも思ってないんです。そもそもIT導入すら進んでおらず、PCもまともに使っていない企業もあるくらいです。
ものづくりにおける情報
ものづくりに必要な要素は、4M(Machine:設備、Man:人、Material:材料、Method:方法)だけではなく「情報」がとても大事です。設備や人からは常に情報が生まれています。その情報を現品票、指図書、日報などに記録しているはずです。さて、それらの情報はどこへ行くのでしょうか?トレサビリティ(証拠)として、書類棚に眠らせていないでしょうか?
情報を制する者はものづくりを制する
生き物を扱う1次産業と違って、ものづくりはとても素直です。ラッキーで良い製品ができる事はありません。つまり、良くも悪くも情報が嘘をつかない産業です。常に出力され続けている情報を収集・分析する事で、現状を正確に知ることができます。
にも関わらず、情報の必要性を感じていない企業・経営者さんが多いのです。
- 1時間に何個作っているのか
- 機械が材料を加工している正味時間は何パーセント?
- 人が正味作業をしている時間は何パーセント
- 今現在、機械は動いている?
- 在庫はどこに何個ある?
答えられますか?
1時間に何個作れるのか知らないのに、もっと沢山作れって無責任です。 機械が何パーセント動いているか知らないのに機械を増設するっておかしくないですか? 作業者の歩行・打ち合わせ・監視・手待ちが多いのに人手不足って本当?
情報はウソをつきません。こういった情報を正しく分析する事で、生産現場の改善がスタートできます。
情報収集はムダ作業
でも、この情報収集はものづくりおいては「ムダ作業」で排除すべき時間です。そこに人の手をかけてはいけないのです。ですのでIoTの出番です。
とてもシンプルなシステムですが、中小ものづくり企業にはこれで十分です。IoTを導入する事で直接的に生産性をあげようと考えるから難しくなるのです。
IoTを使って、まずは生産性を上げる為の土台を作る事から始めて欲しいと思います。ブイコンサルティングでは、このようなシステムをパッケージ化して行きたいと考えています。
こんな話をしてきました。皆さんの耳に残ったかどうかは分かりませんが、参加された方と交流し貴重な情報も得られたので、とても有意義な時間でした。
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