稼働率と可動率
稼働率と可動率という2つの言葉があります。
どちらも「かどうりつ」と読んでしまいます。決して間違いではありませんが、「稼働率=かどうりつ」、「可動率=べきどうりつ」と区別して読むのが正解です。
では何が違うのか?
一般的に「かどうりつ」と言うと"稼働率"だと考えるでしょう。私自身も安易に「かどうりつはどれくらいですか?」と聞いてしまいがちなのです。(この時点では正確な回答を求めていません)
稼働率とは、生産ライン(工場全体or部分的なライン)の生産能力に対する、受注量の割合です。
・・・難しいですね。
例えば、トヨタが月産10万台の生産能力を持っているのに対して、12万台の受注が来れば稼働率120%。5万台しか受注が来なければ稼働率50%です。生産ラインが動いていようがいまいが関係ありません。
つまり稼働率は、受注量と生産能力できまるので営業部門も含めた全社的な忙しさを測る指標だと言えます。漢字の通り、稼ぐために働いている割合です。受注が無ければ働いても稼げません。
もし稼働率が恒常的に100%を下回るようであれば、生産能力が過剰だと言えます。
- 営業力の強化
- 不要設備の廃棄
- 生産人員の削減
恒常的に100%を超えるようであれば、生産能力が足りていない事になります。
- 生産ラインの増設
- 生産人員の増員
- 現場改善による可動率改善
ここでわざとらしく「可動率」を出してみました。
可動率とは、想定している設備を動かす時間(動くべき時間)に対して、実際に設備が動いている(付加価値を生んでいる)時間の割合です。
例えば、定時8時間の中で、生産設備が“ガチャコン”と動いている時間が合計2時間であれば、可動率は25%です。可動率は100%を超える事はあり得ません。
- 段取時間
- 異常停止
- 作業者不在
様々な理由で可動率は下がっていきますが、この可動率を改善させることが現場改善という事になります。私個人としては総合的なコンサルティングもしているので、稼働率も意識していますが。
言葉の意味が分かったところで現場が良くなる訳ではありませんが、現場改善の共通言語として覚えておくと良いと思います。収益性を良くするには稼働率の改善、生産性を良くするには可動率の改善といたイメージでしょうか。
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